命の玉
私はドスドスと言う音を響かせて廊下を歩く。別に機嫌を悪くしたっていいことなんてないのに、なぜ自分は今機嫌が悪い というアピールをしたくなる。
「ただいまぁー。」
入りたくないけど、入らないともっと面倒くさいことになるから、仕方なくお母さんの部屋へ行く。
「おかえり。今日テストだったみたいね。点数は、どう?」
やっぱり聞かれた。見せたくない。怒られるに決まってる。勉強させられるに決まってる。面倒くさい。面倒くさいよぉ。
でも仕方ない。 はぁ~。 とため息を付き、明らかに機嫌が悪いという雰囲気を放ちながらお母さんに30点のテストを突き出す。
いつものようにお姉ちゃんがテスト用紙を見せてと言ってくるから、いつものように断った。
なのにお姉ちゃんは「どれどれー!」と勝手に除いてきた。お姉ちゃんは私に勝った!と大喜びをした。100点で私に負けるはずないのに、かつってわかってるくせに。
イライラしてきた。こうやって、すぐ機嫌を悪くするのはいけないってわかってる。けど
やっぱり感情を抑えるのは難しい。
私はお母さんに止められる前に走って家を出た。
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