無表情男子の私しかしらない秘密の顔。

からかいがいがありそうだと……？


「アイツのことをいじめていいのも、俺だけだ」

「いじめるとかひどーい。だから莉愛ちゃんに嫌われるんだね」

「黙れ。お前だってアイツに好かれてねぇだろ」


知ってるんだからな。毎回毎回絡まれてぎこちなさそうにしている可愛い莉愛を。



＊＊＊


それから教室についてどうにか説得しようと思うも、叶わなかった。


さすがに怒るよなぁ……どうしたら許してくれる？


わからない、莉愛のことなのに……一番見てきたのに、本当に俺バカだ……。


可愛い莉愛はこんなにも目の前にいるというのに、遠くて仕方がない。



「……結婚したい」


ふと漏れた言葉。


つい口を塞いだ。



「え……？」


そんな声に気がついた莉愛が、後ろにゆっくり振り向いてくる。


「い、今真央くんが言ったの？」

「っ……」


ここで否定せずに認めたら、もう一度俺のことちゃんと見てくれる……？