無表情男子の私しかしらない秘密の顔。
「……帰ろう」

「あ、うん……」


私のカバンを持ってきてくれた真央くん。


「ありがとう……」

「いや別に。」


……なんだか、声が冷たい。


「……あ」

「ん?」

「弁当美味かった」

「あっ……!よ、よかった……!!」


嬉しいなっ……。


「あの!!ちょっと待ってください!!」

「へ?」


さっきの後輩の声がして、後ろに振り向く。


「ど、どうしたの?」

「その人、彼氏ですか!?」

「え?あ、ち、ちが……」

「そーですけどなにか」


……え?


一瞬なにが起きたか分からなくてフリーズする。


いま、彼氏って……?


「っ……!!そうならそうと言ってくださいよ!!」

「い、いやちがっ……」

「ほら帰んぞ」


ぎゅっと手を優しく掴まれて、そのまま歩き出す真央くん。


……手、繋ぐの久しぶりだな……。

じゃ、なくて……。


「ま、真央くん……え、えっと……」

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