無表情男子の私しかしらない秘密の顔。
きっと、庇ってくれたんだよね……?


「ありがとう」

「……ああ」


あれ……?もう後輩の姿はないのに……まだ、手繋ぐのかな?


とっても嬉しいけど……恥ずかしい……。


ドキドキと胸が高鳴る中、ふと真央くんの方を見る。

すると……心なしか、真央くんは頬が赤くなっているような気がした。


な、なにか話さないと……!!


「あ、あの真央くん……!!」

「……」


あ、あれ……?

なんか、真央くん拗ねてる……?


幼なじみだからこそ、わかる。


無表情だからとて、感情が読み取れないわけではない。


「……真央く〜ん」

「……なに」


む……なんで拗ねてるんだろう。


「今日の夜ご飯、なにがいいかな?」

「別になんでも」

「んー……」


じゃあ、ハンバーグにでもしようかな。


「……ねぇ莉愛」

「ん?」

「……アイツのこと、本当に好きじゃないの」

「え?あ、うん。私、好きな人いるから」


そう言いながら私は微笑んだ。


真央くんへの気持ちを隠すように。


けれど、その瞬間パッと繋いでいた手が離れる。
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