本当は
そんなある日、教えたはずもないこのマンションのエントランスに、部屋の呼び鈴を押し続ける、彼女の姿があった。
彼女は酔っていたらしい。
ただ、なんだか喚かれて迷惑だったので、仕方なく部屋へ上げたが、迫る彼女を軽くかわして、タクシーに乗せて帰らせることが、幾度かあったということだった。
奥さんは、自宅がある隣県から会社に通っていたが、そういう日は決まって残業だのなんだのと言って、こちらでホテルに泊まることも度々だったそうだ。
その間、お子さん、小学生2人はご主人が面倒を見てあった。そもそも、子育てはご主人メインであったらしい。
「ここでそういうことに、なっていたわけではないのか?」
「私がルールを破って、押しかけていただけ。もちろん、彼が乗ってきたらここでもやってたわね。」
悪びれずに奥さんが言う。
「別れるつもりか。。。」
「それは、あなたと私の問題よね。
ただ、てるの奥さんにも知られちゃったし、てるとはもうこれっきりかな。」
「。。。。。」
先ほどから央さんは何も言わない。
『ブォ〜、ブォ〜』
ご主人の胸ポケットから、携帯のバイブ音が間抜けに響いてくる。
「 あっ、子供たちを母さんに預けて来たから、、、何かあったのかもしれない。」
奥さんは、ご主人の母さんと言うフレーズに軽く舌打ちをした。
ご主人はそれに気づいているのだろうが、携帯を手に持って、一旦部屋を出て行った。
私は、私の夫が絡んでいることなのに、一方的にこの夫婦の痴話喧嘩に振り回されているようで、だんだんと気分が悪くなって来ていた。
「央さん、、、」
私の呼びかけに、仄暗い目を私に向けた。
「何か着てきたら?」
「あぁ、、、そうだな。」
一瞬、何を言われたかわからなかったようだった。しばらく私を見つめ、はっと我に返ったようで、自分が上半身裸という事態に気付いたのか、ふらりと立ち上がり、寝室へと入っていった。
彼女は酔っていたらしい。
ただ、なんだか喚かれて迷惑だったので、仕方なく部屋へ上げたが、迫る彼女を軽くかわして、タクシーに乗せて帰らせることが、幾度かあったということだった。
奥さんは、自宅がある隣県から会社に通っていたが、そういう日は決まって残業だのなんだのと言って、こちらでホテルに泊まることも度々だったそうだ。
その間、お子さん、小学生2人はご主人が面倒を見てあった。そもそも、子育てはご主人メインであったらしい。
「ここでそういうことに、なっていたわけではないのか?」
「私がルールを破って、押しかけていただけ。もちろん、彼が乗ってきたらここでもやってたわね。」
悪びれずに奥さんが言う。
「別れるつもりか。。。」
「それは、あなたと私の問題よね。
ただ、てるの奥さんにも知られちゃったし、てるとはもうこれっきりかな。」
「。。。。。」
先ほどから央さんは何も言わない。
『ブォ〜、ブォ〜』
ご主人の胸ポケットから、携帯のバイブ音が間抜けに響いてくる。
「 あっ、子供たちを母さんに預けて来たから、、、何かあったのかもしれない。」
奥さんは、ご主人の母さんと言うフレーズに軽く舌打ちをした。
ご主人はそれに気づいているのだろうが、携帯を手に持って、一旦部屋を出て行った。
私は、私の夫が絡んでいることなのに、一方的にこの夫婦の痴話喧嘩に振り回されているようで、だんだんと気分が悪くなって来ていた。
「央さん、、、」
私の呼びかけに、仄暗い目を私に向けた。
「何か着てきたら?」
「あぁ、、、そうだな。」
一瞬、何を言われたかわからなかったようだった。しばらく私を見つめ、はっと我に返ったようで、自分が上半身裸という事態に気付いたのか、ふらりと立ち上がり、寝室へと入っていった。