本当は
央の話 4
年明けて早々。
俺は礼には内緒で、一時帰国をした。
3年ぶりの日本。
まだ、浦島太郎にはなっていないなと、空港からホテルまで、タクシーからの車窓を見ながら、そう思っていた。
到着が夜便だったため、礼にはまだ帰国したことを知らせていない。
「帰ってきちゃったの!」
と、うるさそうにされるかもしれないが、1、2時間でいいから、礼に会って話をしたかった。
「てるちゃん、どうしちゃったの。」
と、この俺の変わり様に驚くかもしれない。
妹のお祝いに、駆けつけた俺を見て。
自分の不幸せ、、、思い通りにならなかったことを、自分勝手に拗ねていた俺を立ち直らせてくれたのは美郁だ。
彼女に辛い目に合わせて、やっと気づいた自分の気持ち。
あの時も素直に自分の気持ちを言えなかった。
「一緒にいてくれないか?」
その一言も言えず、拗ねている自分のことも言えず、何も言えずに自分ひとり、日本を逃げ出した、どこまでも卑怯な自分。
今更、もう一度とか、また会って欲しいとか、息子に会いたい、等々は言えないが、礼を通して、見守れたらそれでいい。
自分の人生、それだけでいい。
俺は礼には内緒で、一時帰国をした。
3年ぶりの日本。
まだ、浦島太郎にはなっていないなと、空港からホテルまで、タクシーからの車窓を見ながら、そう思っていた。
到着が夜便だったため、礼にはまだ帰国したことを知らせていない。
「帰ってきちゃったの!」
と、うるさそうにされるかもしれないが、1、2時間でいいから、礼に会って話をしたかった。
「てるちゃん、どうしちゃったの。」
と、この俺の変わり様に驚くかもしれない。
妹のお祝いに、駆けつけた俺を見て。
自分の不幸せ、、、思い通りにならなかったことを、自分勝手に拗ねていた俺を立ち直らせてくれたのは美郁だ。
彼女に辛い目に合わせて、やっと気づいた自分の気持ち。
あの時も素直に自分の気持ちを言えなかった。
「一緒にいてくれないか?」
その一言も言えず、拗ねている自分のことも言えず、何も言えずに自分ひとり、日本を逃げ出した、どこまでも卑怯な自分。
今更、もう一度とか、また会って欲しいとか、息子に会いたい、等々は言えないが、礼を通して、見守れたらそれでいい。
自分の人生、それだけでいい。