本当は
 美郁の遺志には背いたが、今、拡と暮らしている。
 あの日、そうしたかったように、自分の全てを捨てて一から、息子と生きる道を選んだ。
 ここに美郁がいないことが、身を斬られるように辛い。

 美郁、
 央さんの人生、、、拡が大きくなって、俺を詰る日が来るかもしれないが、ちゃんとそれまでには、家族になれるように努力するから。

 礼にはてるちゃんには無理と言われたが、おじさんや、周りの人にも助けられて、どうにか父子で生活をしいる。

 勘弁してくれと、こちらが泣きたくなることもあるし、イライラとすることもあるがこんなに捻くれた自分の子にしては、素直でいい子だと思う。

 美郁が俺を、血の通った人間にしてくれた。
 そんな美郁が育てた子だ、いい子に決まっている。

 今更、後悔をしても始まらないが、あの時、素直に自分の気持ちを伝えればよかった。
 美郁を愛していると、もっと言えばよかった。

 こんな後悔だらけの、どうしようもない俺が父親だが、おじさんは
 
 『過ぎたことを糧として、これから生きよう。
 人間だけだよ、反省してやり直すことができるのは、、、』

 弱いところも、狡いところも拡に見せながら、弱音を吐いても恥ずかしくない。
大事な人を裏切ることが、一番いけないことだ、、、と、自分の後悔の念を踏まえて教えて行こう。

 美郁、君は嫌かもしれないけど、今度会うときは、間違えないから。

 君を愛している。
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