心はあなたを探してた
それから半月ほど経ち、なんとか8時過ぎには、今日のゴールが見えるようになって来たある日のこと。

「ちびほ、飯はどうする?明日は休みだし呑んでくか?」

珍しく主任から誘ってきた。
いつもなら残業中にコンビニのおにぎりとか買ってきて、私にも分けてくれるくらいなのに。

「主任がおごってくれるなら。」

「じゃあ居酒屋でいいな。」

意外にも連れて行かれたのは、駅に近いおじさん達が行きそうなフツーの居酒屋だった。

隅の4人掛けが、ちょうど空いたらしくそこに通されて、向かい合わせで座るととりあえずビール2つと適当にサラダや焼き鳥を頼んだ。

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