心はあなたを探してた
主任の私服姿だけでも貴重なのに、エプロン姿なんて未確認生物並のレアを見てしまった気分になる。

「え?しゅ、主任…」

ベッドから立ち上がろうとしてブラとショーツしかつけていない事に気付き、慌てて布団に潜り直す。

「あ、俺のTシャツと短パン着るか?ちゃんと洗濯はしてあるから。」

「私の服は?」

「覚えてないのか?昨日、帰りにお前、酔っ払って戻したんだよ。
俺のスーツとお前のスーツは、軽く水洗いして、クリーニングに出してきた。
んで、お前はブラウスを自分で脱いで寝ちまうから、顔をホットタオルで拭いて寝かしといた。
手は出してないぞ。」

やっちゃった。主任にすんごく迷惑かけてしまった。

「た、大変申し訳ありません。」

「別にいいよ。それより飯食えるか?」

布団にくるまりながら、土下座する私の事を笑いながら、Tシャツと短パンを投げてよこしてくれた。

「はい…」

「じゃあ、それ着て来い。あっちで待ってるから。」

主任がいなくなったのを確認してそろそろと布団から抜け出した。

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