心はあなたを探してた
「やだあ、もう足、開かないっ」
「大丈夫だから、がんばれ。」
あれから1時間が経ち、現在丸太吊り橋の途中で、私は立ち往生中だ。
恭輔さんが連れて来てくれたのは、山あいにあるアスレチック施設だった。
元々インドアな私は、初心者コースにしたにもかかわらず、なかなか先に進めない。
「里帆、手をこっちに出せ。」
「む、無理ぃ。片手離したら落っこちるからぁ。」
恭輔さんは、仕方ないなぁって顔をして私の2つ前の丸太まで戻って来て、私の手に自分の手を重ね、そっとロープから離れさせた。
そのまま丸太があまり動かないように身体で押さえながら、私が前に進めるようにサポートしてくれたので、なんとか丸太吊り橋を渡りきる事が出来た。