心はあなたを探してた
「ゴールっ。やっぱり恭輔さんの方が重いから早いんですかね。
それでお願いは、何にしますか?」

「とりあえず車に行こう。もうクローズの時間みたいだし。」

少し固い表情の恭輔さんに促されて、駐車場に戻る。

車に乗ると恭輔さんは、言っていいのか、少し迷っているような顔だったので、先を促す。

「勝ったんだから、ちゃんとお願い聞きますよ。何にしますか?」

「まだ付き合っていない友達だけど、ほっぺたでいいからキスしたい。」

「…いい…です、よ。私も恭輔さんの事、友達以上くらいには好きみたいです…から…」

私の返事に恭輔さんがぱぁーと笑顔になった。

イケメンの満面の笑顔、破壊力ありすぎです。

そうして恭輔さんの唇が触れたのは、頰ではなく私の唇だった。

「恭輔さん、ほっぺって言ったじゃないですか⁈ 今のく、口ですよ。」

「里帆が俺のこと好きだって言ってくれたから遠慮なく口にする。」

なぜか当然だと言う顔をされた。
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