心はあなたを探してた
「あの恭輔さん。いまプライベートな話をしても構いませんか?」

「ん?」

「えっとですね。金曜日に営業部の人たちと呑み会が入りまして、行っても良いかお伺いしたいのですが。」

「まず、仕事は定時で終わらせられるかだな。」

「そこは鋭意努力いたします。」

「それで何が問題だ?」

「同期の牧野香織と立石飛鳥に誘われたんですが、営業の若手も数人来るので…彼氏の許可をとりたいのです…」

「つまり金曜日の夜に彼氏を放って、合コンに行っていいかとお伺いを立てに来たと言う事か?」

「はい…」

「いいかと聞かれたら嫌だけど、前からの約束なんだろ?仕事の交友関係は広げて置いた方が、いいし。
飲み過ぎないようにするのと待っているから二次会は行かずに俺のマンションに帰って来い。いいな。」

「はい…恭輔さん。」

「じゃあこの話は終わりだ。そろそろみんなが来るから、総務の文書棚から今日の依頼の書類を持って来い。」

「はい。」

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