心はあなたを探してた
「里帆ちゃんが、立石たちとランチに行った帰りだと思うけどエレベーターで一緒になって、その時かわいい子がいるなって思ってたんだ。
今日の合コンに里帆ちゃんが来るって話が出た時、天野が他のやつを誘おうとしてたのを俺にしてもらったんだよ。」

そんな事、頼んでないし、近いんですけど…

「すみません。私、そろそろ帰ります。」

なんとか近藤さんを押し除けて、みんなに声をかけて席を立つ。

「里帆ちゃん、おつかれー。」

「またね!帰り、大丈夫?」

「うん。駅まですぐだし。お先に。」

「里帆ちゃん、送るよ。」

近藤さんから逃げるように店を出るとすぐ後ろから声がした。

「ホントに大丈夫なんで…」

駅まで行けば、すぐ恭輔さんのマンションだし、付いてこないで欲しいと思っているのに….

必死に近藤さんと距離を置きつつ早歩きしていると駅前の大通りに出てすぐにあるビルにもたれるように立っている男性が目に入った。
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