心はあなたを探してた
「そう言えば、入社式の宣誓も里帆ちゃんだったよね。私たちと研修中、おしゃべりしている時は違和感なかったけど、T大だもんね。」

「そうだね。私たちより頭いいもんね。」

2人の言葉に疎外感を感じてさみしくなる。

「でも女子力偏差値は、低いよね。」

「恋愛偏差値も低そう。」

え?と思って顔を上げると2人が笑っていた。

「仕事では助けにならないだろうけど、愚痴は聞くし、お休みの日に遊びに行ける元気が出たら付き合うからね。」

「そうだよ。そのうち合コンも行こうね。営業部にも結構ステキな人いるんだよ。」

「ありがとう。」

やっぱり香織ちゃんと飛鳥ちゃんは、私には頼りになる女友達だ。

「氷結王子に負けるな!」

「うん。」

「という事で、今日のランチは里帆ちゃんの持ちで。」

「えー⁈」

「まぁ冗談だけど。」

三人で顔を見合わせて、笑いながらランチタイムを過ごす事が出来た。

「私たちが外回りじゃない日にまたランチ来ようね。」

「LINEに予定入れて行って、つぎに行ける日、決めよう。」

そう言って手を振る二人と別れ、私は長い長い午後の仕事に向かった。

それでもいつもよりは足取りが軽かったのは日頃の愚痴が話せたからで、気のせいじゃないと思う。
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