愛の死
6. 友達の家
「着いたよ。」誠哉が言う。
海斗は誠哉のずじょうに視線を向けた。そこには、周りの家よりも平均的に少し大きい二階建ての家があった。ベースのカラーは白で所々クリーム色が混じっている綺麗な家だ。
「さ、入って入って。」
「お邪魔しまぁーす。」
静かな家に海斗の声が響く。
「誰も家にいないの?」海斗が誠哉に尋ねる。
「俺の両親夜遅くまで帰って来ないんだよね。仕事で。誠優(まひろ)っていう妹がいるんだけど、あいつ毎日友達と放課後遊ぶか、バイト入ってるから家に帰ってくるの六時と七時なんだよね。ちなみに妹中二ね。俺と三歳差。」
誠哉は階段を上りながら海斗の質問に答えた。
「へぇ~」
母親が専業主婦で、中学二年生の妹ではなく小学三年生の妹を持つ海斗には、誠哉の家庭環境が不思議に思えた。
「はい。ここ俺の部屋。」
「お邪魔しまぁ~す。」
「好きなとこ座っていいよ。」
「ああ。」
海斗は卓袱台と誠哉のベッドの間の隙間に座った後、卓袱台に宿題のプリントや、授業ノートを乗せた。
「海斗~。俺マジで古文と漢文読めん~。教えて~。」
「オッケー。」
『頼み方かわいすぎ。マジで好きになっちまう!』
古文と漢文を教えてもらうために、誠哉は海斗に近づいた。
『急接近はずるいよ。照れる。』
海斗は気付かぬうちに顔が赤くなっていた。それを誠哉は薄々気付いていた。
「・・・古文は、文中にナムがあったら、最後は絶対にケルになるんだよ。・・・。」
数十分後
「終わった~。」
「お疲れ~。これで古文と漢文は好きになった?」
「俺は・・・。古文と漢文よりも・・・・・・。」
部屋が一瞬静かになった。
「お前が好きだ。」
誠哉の声が部屋中に響いた。その瞬間、
「んっ!」
『おい、誠哉!』
「はぁ、はぁ。おい、誠哉、お前いきなりなんだよ。いきなりキスなんかすんなよ。って、んっ。」
誠哉は、キスをしながら海斗の服を脱がせ始めた。
『お、おい。誠哉!?』
「俺は、お前が大好きだ。海斗、お前もそうだろ。」
「う、うん・・・。」
海斗も誠哉の事が好きだったが、あまりの出来事にビックリしていて、まともな応えが言えなかった。
「俺は、」言いながら、誠哉は自分の服も脱ぎ始めた。
「お前を、抱きたい。」
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