愛の死
9. 不登校
「出席取るよ~。」小豆先生の声が教室中に響く。
「相場、五十嵐、木村、斎藤、四宮、谷口。谷口?谷口君いないね?成田、林・・・。はい、出席終わり。今日も谷口いないなぁ~。誠哉君なんか知ってる?」
「いえ、何も。」
「そっか~」
数時間後
ピーンポーンパーンポーン
お弁当の時間だ~。一緒に食べ・・・。焼きそばパン買・・・。
ガラガラガラガラ。教室のドアがいきなり開いた。入ってきたのは小豆先生だった。
「皆さんに残念なお知らせがあります。」
教室中が静かになった。
「私たちのクラスの、谷口海斗君がお亡くなりになりました。」
「えっ」誰にも聞こえない小さい声で誠哉は言った。「海斗が?何で。」
「警察などの調査の結果、自殺だと判明しました。今さっき、谷口君のお母様にお会いしましたが、誰も放課後家に来ないでほしいという事なので、谷口君の家に放課後行かないように。そして、誠哉君。ちょっと廊下にきてくれるかな。」
「は、はい。」
ガラガラガラガラ
「ごめんねいきなり呼び出して。さっき俺を海斗君のお母様から預かったの。海斗君の誠哉君への手紙らしい。」そう言って線は誠哉にある封筒を渡し、姿を消した。
封筒を開けた誠哉は、さっそく中野手間着を読み始めた。
【誠哉、
おれはお前が大好きだったけど、直希のことが好きだと直希に嘘をついてしまい、ヤってしまいました。ごめんなさい。俺は、自分の事が情けないと思っているし、生きる権利など無いと思ったので、自殺しました。いきなりすぎて、ごめんなさい。大好きだったよ。 海斗】
誠哉は一粒の涙を流した。
『誠実すぎ。海斗の馬鹿。自殺しなくてよかったのに。』
「海斗、今までありがとう。安らかに眠ってね。」
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