婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
幻の白い花(アメリアとサルジュ)
「幻の白い花、ですか?」
顔馴染みになった女性研究員から聞いた話に、アメリアは首を傾げた。
今日は朝からサルジュと図書室にいたが、資料になる本を借りるため、アメリアだけ王立魔法研究所を訪れていたのだ。
「ええ、そうよ。王都から少し離れた場所に、見たことのない白い花が咲いているらしいの」
本を探していたアメリアを手伝ってくれた彼女は、そう言って詳しい話を聞かせてくれた。
花の専門家がその花を持ち帰って調べようとしたけれど、どんなに丁寧に掘り起こしてもすぐに枯れてしまうらしい。専門家も見たことがない花というのだから、新種なのだろうか。
アメリアも興味を持った。でもそれを見に行くには、王都の外に行くしかないようだ。
(どんな花なのかな……)
気になって、図書室に戻ったときに何気なくサルジュに報告した。
新しい水魔法も完成した今、サルジュは小麦のさらなる品種改良に取り組んでいる。来年もまた冷夏になりそうだと言われていて、本来の小麦を植えている領地では収穫が半分になる可能性があった。だから今は新しい水魔法を使った魔法水の普及と、さらに冷害に強い小麦の改良を目指しているところだ。
顔馴染みになった女性研究員から聞いた話に、アメリアは首を傾げた。
今日は朝からサルジュと図書室にいたが、資料になる本を借りるため、アメリアだけ王立魔法研究所を訪れていたのだ。
「ええ、そうよ。王都から少し離れた場所に、見たことのない白い花が咲いているらしいの」
本を探していたアメリアを手伝ってくれた彼女は、そう言って詳しい話を聞かせてくれた。
花の専門家がその花を持ち帰って調べようとしたけれど、どんなに丁寧に掘り起こしてもすぐに枯れてしまうらしい。専門家も見たことがない花というのだから、新種なのだろうか。
アメリアも興味を持った。でもそれを見に行くには、王都の外に行くしかないようだ。
(どんな花なのかな……)
気になって、図書室に戻ったときに何気なくサルジュに報告した。
新しい水魔法も完成した今、サルジュは小麦のさらなる品種改良に取り組んでいる。来年もまた冷夏になりそうだと言われていて、本来の小麦を植えている領地では収穫が半分になる可能性があった。だから今は新しい水魔法を使った魔法水の普及と、さらに冷害に強い小麦の改良を目指しているところだ。