婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
貴族としては当然の義務である魔法を学ぶため、十五歳になったら三年間、その学校に入らなくてはならない。
一歳年上のリースは、アメリアよりも早くその学校に入る。
「夏には帰って来るよ。作物の成長具合が見たいからね」
入学前にレニア伯爵領に立ち寄ったリースは、そう言っていた。
彼の帰る場所は侯爵領のはずなのに、躊躇いもなくこの地に「帰る」と言ったリースに、アメリアは微笑んだ。
「ええ、待っているわ。学園での勉強も大変かもしれないけれど、頑張ってね」
そう言って、王都に向かう彼を見送ったのが去年の春のこと。
けれどリースは、夏になっても伯爵領を訪れることはなかった。
学園での勉強が忙しくて帰れそうにない。そう書いた手紙が届いただけだった。
(学園の勉強って、そんなに大変なのね)
手紙を受け取ったアメリアは、呑気にそんなことを考えていた。
一歳年上のリースは、アメリアよりも早くその学校に入る。
「夏には帰って来るよ。作物の成長具合が見たいからね」
入学前にレニア伯爵領に立ち寄ったリースは、そう言っていた。
彼の帰る場所は侯爵領のはずなのに、躊躇いもなくこの地に「帰る」と言ったリースに、アメリアは微笑んだ。
「ええ、待っているわ。学園での勉強も大変かもしれないけれど、頑張ってね」
そう言って、王都に向かう彼を見送ったのが去年の春のこと。
けれどリースは、夏になっても伯爵領を訪れることはなかった。
学園での勉強が忙しくて帰れそうにない。そう書いた手紙が届いただけだった。
(学園の勉強って、そんなに大変なのね)
手紙を受け取ったアメリアは、呑気にそんなことを考えていた。