離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「年上の早苗(さなえ)ちゃんは、年下のあゆみちゃんより少し症状が重くて調子を崩すことが多いんです。早苗ちゃんは、同じ病気のあゆみちゃんが元気に過ごしているのに、自分は我慢が足りないんだと思ってしまっていて」
院内学級を訪れたとき、なんとなく気分が沈んでいるように見えたので何度かに分けて話を聞いた。
最初は頑なに口を閉じていたが、『私は我慢が足りないのかな?』と突然泣きだして驚いたのだ。
「病状はそれぞれ違うし、痛みの感じ方も異なります。だから早苗ちゃんの我慢が足りないなんてことは絶対にないと伝えても、納得しなくて。同じ病気で、気をつけなければならないことも、使う薬もほとんど同じ。大人はそれならわかり合えると勝手に思いますけど、そうじゃないことだってあるんです」
気がつけば熱く訴えていた。
けれど、彼は嫌な顔ひとつせず耳を傾けてくれる。
「そうか。難しい問題だ」
院内学級を訪れたとき、なんとなく気分が沈んでいるように見えたので何度かに分けて話を聞いた。
最初は頑なに口を閉じていたが、『私は我慢が足りないのかな?』と突然泣きだして驚いたのだ。
「病状はそれぞれ違うし、痛みの感じ方も異なります。だから早苗ちゃんの我慢が足りないなんてことは絶対にないと伝えても、納得しなくて。同じ病気で、気をつけなければならないことも、使う薬もほとんど同じ。大人はそれならわかり合えると勝手に思いますけど、そうじゃないことだってあるんです」
気がつけば熱く訴えていた。
けれど、彼は嫌な顔ひとつせず耳を傾けてくれる。
「そうか。難しい問題だ」