離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「それはわかります。私も友達が結婚するたびに言われるんです。それで『この人と付き合ってみない?』なんて、適当に独身同士をカップリングされたりして。最近もちょっと……」

「ちょっと?」

「学生時代の友人が、私と彼女がいない男性をくっつけようとして、しょっちゅう連絡が来ていたんです。先日も三人で会おうと言われて行ったら、その男性とふたりだったし」


友人が彼氏のいない私を心配しているのはありがたい。

ただ、その気もないのに呼び出されても困るのだ。


「その男とは付き合う気はないの?」

「はい。悪い人じゃないんですけど、会ってお話ししても会話が弾まないというか、価値観が違うというか……。結婚したら妻には家庭に入ってほしいらしいのですが、仕事を辞めるなんて考えられなくて、お断りしました」


そう反応すると彼は深くうなずいた。


「一致したね」

「なにがですか?」

< 46 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop