特等席〜私だけが知っている彼〜2
「椿芽へのお土産を選んでいたら、急に卯月さんが来て付き合ってるみたいに馴れ馴れしくしてきたんだ。前からそういうことが多くて、彼女のこと苦手だったんだけど……」
ため息混じりに五十鈴は言い、椿芽は緊張しながら口を開く。
「信じていいの?心愛ちゃんと何もないって」
「当たり前だよ。俺が世界で一番好きなのは、今電話してる椿芽なんだから」
五十鈴のその言葉が、心に一瞬降った雨を止ませてくれる。安心し、椿芽はニコリと微笑んだ。
「帰ってくるの、楽しみにしてる!」
「ありがとう。たくさんお土産買って帰るから。……大好き」
ネットの記事なんて信じない。椿芽はそう心に決め、電話を切った。
それから数日、テレビをつけると五十鈴と心愛に関するニュースが報じられている。今日椿芽が目にしたのは、記者が五十鈴が泊まっているホテルへ突撃取材を行った映像だった。
『五十鈴さん!心愛さんとはどういう関係なんですか?』
『……彼女とはただの共演者です』
『心愛さんは自身のSNSなどで交際していると言っていますが?』
『そんなこと知りません。僕は彼女とは付き合っていないし、恋愛感情だってありません』
ため息混じりに五十鈴は言い、椿芽は緊張しながら口を開く。
「信じていいの?心愛ちゃんと何もないって」
「当たり前だよ。俺が世界で一番好きなのは、今電話してる椿芽なんだから」
五十鈴のその言葉が、心に一瞬降った雨を止ませてくれる。安心し、椿芽はニコリと微笑んだ。
「帰ってくるの、楽しみにしてる!」
「ありがとう。たくさんお土産買って帰るから。……大好き」
ネットの記事なんて信じない。椿芽はそう心に決め、電話を切った。
それから数日、テレビをつけると五十鈴と心愛に関するニュースが報じられている。今日椿芽が目にしたのは、記者が五十鈴が泊まっているホテルへ突撃取材を行った映像だった。
『五十鈴さん!心愛さんとはどういう関係なんですか?』
『……彼女とはただの共演者です』
『心愛さんは自身のSNSなどで交際していると言っていますが?』
『そんなこと知りません。僕は彼女とは付き合っていないし、恋愛感情だってありません』