特等席〜私だけが知っている彼〜2
「行きましょ!」
心愛は嬉しそうに言い、五十鈴は逃げ出したくなる気持ちを必死に抑えながら歩いていく。頭の中は椿芽との思い出で溢れ、今にも泣いてしまいそうだった。
(椿芽と未来を作りたいのに……)
だが、その言葉を口にすれば椿芽がどんな目に遭うかわからない。五十鈴は唇を噛み締め、会見を行うために用意された部屋へと向かう。
部屋に入るなり、大勢のカメラが写真を撮り始め、眩しさに目が眩む。記者たちが何かを問いかけてくるも、五十鈴の耳には何も届かない。
「それでは、私と五十鈴くんの交際についての会見を行いたいと思いま〜す」
マイクを手に心愛が言う。強く五十鈴が拳を握り締めた刹那、「待ってください!!」と大声が響く。それは、五十鈴が今一番会いたいと思っている人のものだった。
開いたドアから入ってきたのは、椿芽だった。息を切らし、額には汗が浮かんでいる。その姿が、五十鈴にはカメラのフラッシュ以上に眩しく、抱き締めたいと思ってしまう。
心愛は嬉しそうに言い、五十鈴は逃げ出したくなる気持ちを必死に抑えながら歩いていく。頭の中は椿芽との思い出で溢れ、今にも泣いてしまいそうだった。
(椿芽と未来を作りたいのに……)
だが、その言葉を口にすれば椿芽がどんな目に遭うかわからない。五十鈴は唇を噛み締め、会見を行うために用意された部屋へと向かう。
部屋に入るなり、大勢のカメラが写真を撮り始め、眩しさに目が眩む。記者たちが何かを問いかけてくるも、五十鈴の耳には何も届かない。
「それでは、私と五十鈴くんの交際についての会見を行いたいと思いま〜す」
マイクを手に心愛が言う。強く五十鈴が拳を握り締めた刹那、「待ってください!!」と大声が響く。それは、五十鈴が今一番会いたいと思っている人のものだった。
開いたドアから入ってきたのは、椿芽だった。息を切らし、額には汗が浮かんでいる。その姿が、五十鈴にはカメラのフラッシュ以上に眩しく、抱き締めたいと思ってしまう。