Butler and Isla
ノエは突然の質問に目を丸くする。そんな中、ジュリエットはネグリジェのスカートを持ち、お辞儀をした。
「私と、踊ってくれませんか?」
ノエは驚いた目をしたものの、すぐに頰を赤くしながら微笑む。そして、胸に手を当ててお辞儀をしてから「喜んで」と言った。
ノエがジュリエットの腰に腕を回し、ジュリエットもノエの肩に触れるため、距離がいつもよりグッと近くなる。音楽がなく、月明かりだけが照らすパーティーホールで、二人きりの舞踏会が始まった。
「ノエ、普通に上手じゃない」
「恐れ入ります。ジュリエットお嬢様の足を踏んでしまわないか、内心怯えていますが……」
「あなたになら、何回だって踏まれてもいいわよ?」
「ジュリエットお嬢様、そのようなことを仰ってはなりません」
話している二人は温かく、それでいて切ない空気が纏っていた。この時間が永遠に続いてほしい、今なら死んだって構わない、ジュリエットは本気で思ってしまう。だが、それは叶わない。
それからしばらく踊った後、ジュリエットはノエに付き添われて部屋へと戻る。ジュリエットは一人でいいと言ったのだが、ノエが「廊下は暗いので」と引かなかったのだ。
「おやすみなさいませ、ジュリエット様」
「おやすみなさい、ノエ。付き合わせてしまってごめんなさい」
扉が閉まった後、ジュリエットの顔から笑顔が消える。ベッドに横になった彼女は、先ほどの彼の微笑みを思い返し、こう呟いた。
「この名前で、呼んでほしくない……」
「私と、踊ってくれませんか?」
ノエは驚いた目をしたものの、すぐに頰を赤くしながら微笑む。そして、胸に手を当ててお辞儀をしてから「喜んで」と言った。
ノエがジュリエットの腰に腕を回し、ジュリエットもノエの肩に触れるため、距離がいつもよりグッと近くなる。音楽がなく、月明かりだけが照らすパーティーホールで、二人きりの舞踏会が始まった。
「ノエ、普通に上手じゃない」
「恐れ入ります。ジュリエットお嬢様の足を踏んでしまわないか、内心怯えていますが……」
「あなたになら、何回だって踏まれてもいいわよ?」
「ジュリエットお嬢様、そのようなことを仰ってはなりません」
話している二人は温かく、それでいて切ない空気が纏っていた。この時間が永遠に続いてほしい、今なら死んだって構わない、ジュリエットは本気で思ってしまう。だが、それは叶わない。
それからしばらく踊った後、ジュリエットはノエに付き添われて部屋へと戻る。ジュリエットは一人でいいと言ったのだが、ノエが「廊下は暗いので」と引かなかったのだ。
「おやすみなさいませ、ジュリエット様」
「おやすみなさい、ノエ。付き合わせてしまってごめんなさい」
扉が閉まった後、ジュリエットの顔から笑顔が消える。ベッドに横になった彼女は、先ほどの彼の微笑みを思い返し、こう呟いた。
「この名前で、呼んでほしくない……」