エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
官僚は結構異動が多く、一つの場所に留まるのは長くても三年程度。多くは二年以内だ。

一哉は現在の部署に所属してそろそろ二年になるから、今回異動命令が下る可能性が高いのだ。

「ああ、一哉が抜けるのきついな」

高畑が肩を落として呟く。彼は異動してまだ一年なので恐らく動かない。

一哉だけでなく、部署の半分程度の人員入れ替えがあるので、半月くらいはばたばたするから高畑の負担は大きくなりそうだ。

「頑張ってくれ。半月もあればみんな慣れる」

というより、早く馴染み業務を把握していかないとやっていけない。

「まあやりますけど? 一哉はどこになるんだろうな」
「さあな」

海外赴任でもない限り、辞令は結構ギリギリに出る。同じ省庁内の異動が多いが、別の省庁への異動もある。

そうなるとやり方が全く違うという場合もあり、新人のように覚えることが山積みになりしばらく苦労する。

そんな風に通常業務以外で手を取られる異動だけれど、一哉は結構楽しみにしている。

そろそろ新しい仕事をしてみたいと思っているからだ。
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