エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
政略花嫁の悩み
経済産業省キャリア官僚である須和哉(すわいちや)と、代議士・岩倉通成(いわくらみちなり)の娘、澄夏(すみか)が結婚をしたのは二年前。
地元の名家須和家と岩倉家の関係を深め、いずれ一哉が澄香の父の地盤を引き継ぎ政界に進出するのを想定したいわゆる政略結婚だけれど、澄夏は一哉を慕い尊敬している。
真面目で向上心が強く何事にもストイックに取り組む自分自身に厳しい人。けれど家族や友人など周囲の人々に対しては寛容で気遣いがある。
彼は内面だけでなく、容貌も素晴らしい。
百八十センチを超える長身は程よく鍛えられ彼をより精悍に見せている。
性格を表すようなきりりとした眉と切れ長の澄んだ瞳にすっきりした鼻梁の端正な顔立ち。
よく似合う艶やかなブラックショートヘアは、清潔感だけでなくほのかな色気を醸し出し、夫婦になって二年経つのに、澄夏は今でも夫に見惚れてしまうときがある。
恋愛結婚ではないけれど澄夏は夫を深く愛している。結婚式で誓った通り、どんなときでも共にありたい。
だけど、それは一方通行の想いなのだ。