エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
母が入院したのは骨折がきっかけだ。

退院まで長引いたのは精神的な不調があったからで怪我はそこまで心配していなかったけれど、支持者を増やす活動をするとなると大丈夫なのか気になる。

「大丈夫。無理はしないわ」

「それならよかった」

「澄夏の方も順調そうでよかったわ。でも一哉さんの仕事が忙しいのは変わらないだろうから、あまりストレスを溜めないようにしなさい」

「うん、気をつけるね」


一哉と父は深夜まで飲んでいたようだ。父がダウンしたので一哉が戻ってきた。母は呆れたようにしながらも甲斐甲斐しく父の世話を焼いている。

今夜は澄夏の部屋に客用布団を用意した。

けれど話し込んでいるうちに眠くなって、結局澄夏のベッドでふたり並んで眠っていた。

少し狭いけれど、夫の温もりを感じられて幸せなひとときだった。



その次の日は、須和家に向かった。

義実家を訪問するのは久しぶりだ。不義理をしているとしかられるのを覚悟したが、温かく迎えて貰えた。

父の再選活動を伝えると、義父も義母も喜び急遽お祝いが始まる。

義母はあまり料理が得意ではないけれど、澄夏と一緒に腕を振るった。

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