エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
怒涛の帰省を終えて戻ったマンションは、数日離れていただけなのに懐かしく感じた。

ここが自分の家になったのだと実感する。

食事と入浴を終えた後のリラックスタイム。

「なんかほっとするね」

夫とのんびりソファで寛いでいた澄夏はしみじみと言った。一哉も同じ気持ちのようで「ああ」と微笑む。

澄夏は夫の肩にもたれ、安心して目を閉じた。

「両親が気力を取り戻してよかった。お義父さんとお義母さんに安心してもらえてよかった。今回の帰省は嬉しいことだらけだったな」

「そうだな」

「一哉さんも安心して仕事に戻れるね。新しい部署は慣れたといっても大変でしょう? エネルギーの関係って今世間でもいろいろ言われてるものね」

「ああ、だけど俺が官僚になったのは、大切な人たちの暮らしを少しでも良くしたいと思ったからだ。実際なってみると理想通りになんて出来ないと分かったけど、それでも夢を捨てる気はない」

「うん。理想を持って働く一哉さんは凄いと思う」

尊敬で着る夫でよかったと心から想う。

「澄夏がいるから頑張れるんだ」

「本当に?」

夫の支えになれているなら、澄香にとってこれ程幸せなことはない。

「ああ」
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