エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
夫は澄夏に対して他人行儀だ。
会話ひとつとっても澄夏に対して、かなり気を遣っているのが伝わってくる。
義務としての夫婦の営みや、穏やかな会話はあるものの、心から笑いあったりはしない。
一哉にとって澄夏はまだ心を許せる存在ではないのだろう。
少しずつでも心の距離を縮めたくて、澄香なりにコミュニケーションを取るための努力をしていた。
いつかはお互いを理解して、心から愛し合う夫婦になりたいと願って。けれど現実はそんなにうまくいかないものだ。