エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない～離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます～
無事を確認出来たのはよかったが、澄夏の反応がいつになく素っ気ないのが気がかりだった。

実家のフォローがよほど忙しいのか、そのため疲れているのか。心配で問い詰めたい気持ちを抑えるのに苦心した。

メッセージだと上手く気持ちが伝わらないことがあるし、かといって通話するにも、日中纏まった時間を取れない一哉と母の看病のため病院に通う澄夏では都合が合わないからだ。

だが幸い明日からは連休なので、直接向かうつもりでいる。

朝早く出発する予定なので今夜のうちに、後回しにしていた用事を済ませたい。

乱雑になった部屋の清掃と、放置していた実家への連絡。友人からの連絡に返信もしなくては。

帰宅してからの段取りを頭の中で組み立てていると、真咲の声がした。

「奥様、私についてなにか言ってませんでしたか？」
「いや、特には」
「本当ですか？」

真咲はなぜか不服そうだ。

「妻に関して気になることがあるのか？」
「いえ、別に」

今度はやけに堅い声の返事だった。

先ほどまでは機嫌が良さそうだったのに、一体どうしたのだろうか。
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