エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない～離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます～

自宅マンションの最寄り駅近くのコンビニエンスストアで夕飯を買ってから、早足で帰った。

ポストから取ってきた郵便物を置きっぱなしにしているせいで雑然としたダイニングテーブルに、焼肉弁当とミネラルウォーターを置く。

久しぶりに酒でも飲みたい気分だったが、明日早めに家を出たいのでやめておいた。

食事の前にスマートフォンを取り出し履歴を確認すると、実家と友人から数件着信
があった。しかし澄夏からはなし。つい溜息が漏れた。

（もしかして怒っているのか？）

家を出る前の彼女は普通でそんな様子は無かったけれど、心当たりはある。

結婚して初めての無断外泊をしてしまったのだ。

仕事で泊まり込みになっただけで後ろめたいことはしていないが、連絡が出来なかった。きっと澄夏は心配していただろう。

いくら仕事が立て込んでいたからと言って最低限の気遣いすら出来なかったなんて、自分が情けない。

時刻は九時三十分。昨日までは十一時すぎまで仕事をしていたので、澄夏はもう寝ているだろうと思い電話出来なかったが、この時間なら大丈夫だろう。

久しぶりの妻への電話で少し緊張している自分に苦笑いが零れた。