エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「大丈夫だけど、どうしたの?」

澄夏はキッチンに行くのをやめて、リビングのソファに腰を下ろした。

《今は実家?》

「ううん。マンションだけど」

《そうなんだ。明日、実家に帰るんだけど、澄夏がいるなら会いたいと思って》

瀬奈は法学部を業後、大手の司法書士法人事務所に就職した。

仕事をしながら司法書士の実務を学び二年まえに独立開業して今に至る。

学生時代の人脈なども活用しながら営業を続けたおかげで事務所経営はなかなか順調らしいが、その分忙しく実家には一年以上帰っていなかったはずだ。

「瀬奈が地元に帰るなんて珍しいね」

《まあね。今回も実は仕事で地元の知り合いから法人登記の依頼を受けたの。何人かで飲食関係の仕事を始めるそうでまずはカフェの開店から。その打合せにね》

「そうなんだ。あの辺ゆっくり出来るカフェが少ないから、人気出そうだね」

《私もそう思う。提供するサービスの内容が良かったらリピーターも期待出来るよ。社長は私たちと同じ年なんだけど、ようやく夢を叶えたって張り切ってる。上手くいって欲しいわ》
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