エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
相手に集中する為には心から惹かれていなければ無理だ。

そんな風に思える相手との出会いなんてきっと滅多にないのだから。

その後も定期的に会うように働きかけたが、一哉の気持ちは彼女に会うたびに強くなり、愛しさは増すばかりだった。

元々見合いで周囲の勧めもあったことから、結婚まであっという間に漕ぎつけた。

ただ、澄夏の気持ちは一哉ほど盛り上がっているようには見えなかった。これまで恋人がいたことがない彼女としては、見合いから結婚までのスピードに戸惑っているのだろう。

そんな初心な澄夏に負担をかけないように、ガツガツした面を見せないように気を付けた。

初めてのキスは三回目のデートで、それ以上は初夜まで待った。

一哉にとっては辛い時間だったが、初めて彼女を抱いたときは本当に幸せな気持ちで、それまでの苦労など吹き飛んだ。

お互いの想いの強さに差があるのは分かっていても、澄夏が妻になることが嬉しくて幸せだった――。


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