シークレットの標的(ターゲット)
「でも、小池さんみたいに他の部署の男性社員に突撃していくのも困るけれど、そういうネタが全くないのも寂しいわね」
「大島さんの好みってどんななの?」
草刈先生がこちらを向いた。
「好みですかー。うーん、誠実な人、尊敬できる人がいいです」
「見た目はどうなの」
「姿勢のいい人がいいです。顔もよければ嬉しいですけど、よすぎると浮気とか心配なんでほどほどがいいです」
草刈先生と松平主任が揃ってああ~と頷いてくれた。
「草刈先生のご主人はイケメンですもの。心配じゃないですか?」
さっき見せてもらった結婚式の写真、まるで王子様とお姫様だった。
あの王子様が大学病院で若いナースに囲まれて・・・って不安にならないのかな。
「うち?そうねえ。心配じゃないと言えば嘘になるかなぁ」
草刈先生は美人だから取られるって心配はいらないかもしれないけれど。
「そこは信頼関係かな。女性のいない世界に隔離できるわけでもないし。ま、もし浮気なんかしたら即離婚って言ってあるし。離婚が嫌なら浮気はしないだろうし、逆に浮気をしたら離婚したいって事なんだからそれは彼の本気だと思うのよね」
はあ。
草刈先生の話、それは草刈先生のようなひとだからそう言えるんだろうな。
「実際そんなことになったら泣き喚くと思うけど」
ふふふっと笑っているけれど、私には先生のそんな日が来るとは思えない。
万が一、先生がそんな目に遭ったら私は旦那さんを殴りに行きそうだ。
「大島さんは小池さんご執心の緒方さんとかどうなの」
「緒方さんですか?・・・私はちょっと怖いので勘弁です」
あの時は小池さんのせいで機嫌が悪かったからとは思うけれど、緒方さんのあの強い視線を思い出して身がすくむ。
「ああ、ご機嫌が悪かったからかしらね。いつもは結構いい男よ。仕事はしっかりしてるし、浮ついてないし」
「そうね、緒方君はいい男よね。あの海外事業部の中でも有望だし。大島さんも狙ってみたらどうかしら」
二人とも緒方さんに対して悪い印象は持っていないらしい。
「いえいえ、本当にご遠慮申し上げます。さっきも言ったようにイケメンはごめんですし、ちょっと苦手なタイプなんで」
「そう?いいと思うのに」と松平主任が残念そうに言う。
どう言われても緒方さんはあり得ない。
もちろん、向こうだってそう思っているだろうけど。
「大島さんの好みってどんななの?」
草刈先生がこちらを向いた。
「好みですかー。うーん、誠実な人、尊敬できる人がいいです」
「見た目はどうなの」
「姿勢のいい人がいいです。顔もよければ嬉しいですけど、よすぎると浮気とか心配なんでほどほどがいいです」
草刈先生と松平主任が揃ってああ~と頷いてくれた。
「草刈先生のご主人はイケメンですもの。心配じゃないですか?」
さっき見せてもらった結婚式の写真、まるで王子様とお姫様だった。
あの王子様が大学病院で若いナースに囲まれて・・・って不安にならないのかな。
「うち?そうねえ。心配じゃないと言えば嘘になるかなぁ」
草刈先生は美人だから取られるって心配はいらないかもしれないけれど。
「そこは信頼関係かな。女性のいない世界に隔離できるわけでもないし。ま、もし浮気なんかしたら即離婚って言ってあるし。離婚が嫌なら浮気はしないだろうし、逆に浮気をしたら離婚したいって事なんだからそれは彼の本気だと思うのよね」
はあ。
草刈先生の話、それは草刈先生のようなひとだからそう言えるんだろうな。
「実際そんなことになったら泣き喚くと思うけど」
ふふふっと笑っているけれど、私には先生のそんな日が来るとは思えない。
万が一、先生がそんな目に遭ったら私は旦那さんを殴りに行きそうだ。
「大島さんは小池さんご執心の緒方さんとかどうなの」
「緒方さんですか?・・・私はちょっと怖いので勘弁です」
あの時は小池さんのせいで機嫌が悪かったからとは思うけれど、緒方さんのあの強い視線を思い出して身がすくむ。
「ああ、ご機嫌が悪かったからかしらね。いつもは結構いい男よ。仕事はしっかりしてるし、浮ついてないし」
「そうね、緒方君はいい男よね。あの海外事業部の中でも有望だし。大島さんも狙ってみたらどうかしら」
二人とも緒方さんに対して悪い印象は持っていないらしい。
「いえいえ、本当にご遠慮申し上げます。さっきも言ったようにイケメンはごめんですし、ちょっと苦手なタイプなんで」
「そう?いいと思うのに」と松平主任が残念そうに言う。
どう言われても緒方さんはあり得ない。
もちろん、向こうだってそう思っているだろうけど。