シークレットの標的(ターゲット)
「ここから車で10分のところにちょっと変わった新しいスーパーが出来たの知ってるか?」
「それって、嶋津屋の高級バージョンとかいう特別なスーパーのこと?最近雑誌やテレビで取り上げられてるよね」
「行ってみるか?もちろん望海の足が大丈夫ならって話だけど」
「行きたい!足なら大丈夫よ。ムリしないから」
「車出すから歩くのは店内だけだけど、ちょっとでもおかしかったら言えよ」
「うん。わかった、よろしくお願いします」
やったー。
一度行ってみたかったのよね、嶋津屋の高級バージョンのスーパー。
最寄り駅から離れていることもあって車を持たない私が中々行けなかったお店だ。
普通のスーパーと違うのは品数が豊富で直接バイヤーが買い付けた地方や海外のちょっと手に入らないような珍しいものも売っているらしいのだ。
「そうと決まれば支度して」
「うん、わかった」
段ボールに入っているお化粧品や衣類を取り出し、出掛ける支度をはじめる。
谷口さんチョイスのものはどれもが気に入る大満足の品でーーお金がかかっているのがよくわかる。
緒方さんずいぶんと気前がいいんだな。
お詫びの印だというから開き直って使わせてもらってるけど。
それからお目当てのスーパーに繰り出し、珍しい品々と美味しそうな食料品をたくさん買い込んで帰宅する。
こんなに買ってどうするんだと思ったけど、「シェアすればいい」と押し切られたのだ。
確かに一人じゃ多いけど、二人なら何とかって量だ。満足、満足。
とりあえず買ってきた品々を緒方さんちの冷蔵庫に押し込んでリビングで休憩。
「足、疲れただろ」
そう言われるとテーピングで固定しているから大丈夫だけど、ちょっと疲れたかも。
嶋津屋で買ってきたサイダーで喉を潤す。
歩き回って疲れた喉にすっきり。身体もすっきり。
「そういえば、半年前に公開された西隼人の映画がもうブルーレイになってるって知ってたか?」
「大ヒットしたあのサスペンスでしょ。もう?」
「そう。それ昨日もらったんだけど観るか?」
「え、あるの?観たい、観たい」
公開前からずいぶんと話題になり何かの映画祭で作品賞をはじめ監督、主演など最優秀賞を総なめにした映画だ。
タイミングがなくて映画館には行けなかったけど、是非観たいと思っていた作品だった。
「じゃあ、ゆっくり観られる準備をしようかな」
緒方さんが今日何度目かの綺麗な笑顔をみせて席を立った。
一瞬なぜかぞくりとして緒方さんの顔を二度見したけれど、鼻歌を歌い出しそうなほどの上機嫌でわたし用の膝掛けとかおやつの準備をしている姿を見てまあいいかとわたしもお茶の準備をすることにした。
「それって、嶋津屋の高級バージョンとかいう特別なスーパーのこと?最近雑誌やテレビで取り上げられてるよね」
「行ってみるか?もちろん望海の足が大丈夫ならって話だけど」
「行きたい!足なら大丈夫よ。ムリしないから」
「車出すから歩くのは店内だけだけど、ちょっとでもおかしかったら言えよ」
「うん。わかった、よろしくお願いします」
やったー。
一度行ってみたかったのよね、嶋津屋の高級バージョンのスーパー。
最寄り駅から離れていることもあって車を持たない私が中々行けなかったお店だ。
普通のスーパーと違うのは品数が豊富で直接バイヤーが買い付けた地方や海外のちょっと手に入らないような珍しいものも売っているらしいのだ。
「そうと決まれば支度して」
「うん、わかった」
段ボールに入っているお化粧品や衣類を取り出し、出掛ける支度をはじめる。
谷口さんチョイスのものはどれもが気に入る大満足の品でーーお金がかかっているのがよくわかる。
緒方さんずいぶんと気前がいいんだな。
お詫びの印だというから開き直って使わせてもらってるけど。
それからお目当てのスーパーに繰り出し、珍しい品々と美味しそうな食料品をたくさん買い込んで帰宅する。
こんなに買ってどうするんだと思ったけど、「シェアすればいい」と押し切られたのだ。
確かに一人じゃ多いけど、二人なら何とかって量だ。満足、満足。
とりあえず買ってきた品々を緒方さんちの冷蔵庫に押し込んでリビングで休憩。
「足、疲れただろ」
そう言われるとテーピングで固定しているから大丈夫だけど、ちょっと疲れたかも。
嶋津屋で買ってきたサイダーで喉を潤す。
歩き回って疲れた喉にすっきり。身体もすっきり。
「そういえば、半年前に公開された西隼人の映画がもうブルーレイになってるって知ってたか?」
「大ヒットしたあのサスペンスでしょ。もう?」
「そう。それ昨日もらったんだけど観るか?」
「え、あるの?観たい、観たい」
公開前からずいぶんと話題になり何かの映画祭で作品賞をはじめ監督、主演など最優秀賞を総なめにした映画だ。
タイミングがなくて映画館には行けなかったけど、是非観たいと思っていた作品だった。
「じゃあ、ゆっくり観られる準備をしようかな」
緒方さんが今日何度目かの綺麗な笑顔をみせて席を立った。
一瞬なぜかぞくりとして緒方さんの顔を二度見したけれど、鼻歌を歌い出しそうなほどの上機嫌でわたし用の膝掛けとかおやつの準備をしている姿を見てまあいいかとわたしもお茶の準備をすることにした。