エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
庇護欲強めの彼と永遠の愛を誓う
「どうぞ」
「ありがとうございます」
ロックを解除してドアを押さえてくれる龍臣さんの前を通って、スイートルームに足を踏み入れる。
「素敵」
白とブラウンを基調としたスタイリッシュなリビングは広々としており、窓の外にはバーと同じように、みなとみらいの綺麗な夜景が広がっている。
「レストランで食事をして、この部屋でゆっくり過ごすつもりだったのに悪かったな」
窓際で外の景色を眺める私の背後から、龍臣さんが話しかけてくる。
レストランだけでなく、ホテルまで予約してくれていたとは知らずに驚いたものの、彼もクリスマスイブを楽しみにしてくれていたとわかって心が温かくなる。
「いいえ。会えないと思っていたからうれしいです。彰仁さんから立入検査を受けたって聞きましたけど、大丈夫だったんですか?」
振り返って尋ねると、彼がスーツのジャケットを脱いでふたりがけのソファに腰を下ろす。
「ああ。取りあえず問題はクリアした。心配かけたな」
「いいえ」
一番大変だったのは龍臣さんなのに、私を気遣ってくれる優しさをうれしく思った。
ふたりきりになれた喜びで舞い上がっていたけれど、徐々に気持ちが落ち着いてくると彼のお腹の具合が気になり出す。