エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
まさかの妊娠

スマホが鳴る音でハッと目が覚める。

お風呂から出てベッドに横になってスマホをいじっている内に、どうやらうたた寝をしてしまったようだ。

部屋の壁かけ時計の針は、午後十時十分を指している。

最近は体がだるくて、とても眠い。昨日もリビングでテレビを見ている最中にウトウトしてしまい、母親に年寄りみたいだと笑われたばかり。この一週間は仕事が立て込んで残業続きだったせいで、疲れがた溜まっていたのかもしれない。

上半身を起こしてスマホを確認すると、朝比奈さんからメッセージが届いていた。

【明日は予定通り、十一時に迎えに行くのでよろしく】

わざわざ連絡をくれるなんて律儀だなと思いながら、【わかりました。よろしくお願いします】という短いメッセージを返して天気予報のアプリを開く。

明日の予報は曇りときどき雨。降水確率は五十パーセント。梅雨だから仕方ないと思っても、降るのかどうなのかハッキリしないのは困る。

ため息をつき、念のために折り畳み傘をバッグに入れる。

着て行く服はすでに選んである。少し早いけれどもう寝ようと決め、灯りを消してベッドに潜り込んだ。しかし、いつまで経っても眠くならない。

寝不足でドライブに出かけて、助手席で爆睡してしまってはシャレにならない。そう思って瞼をギュッと閉じてみても、やはり眠れなかった。
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