エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
「明日は仕事を早めに切り上げるからウチに来ないか?」
「行きます!」
速攻で返事をした私がおもしろかったようだ。龍臣さんがクスクスと笑い出す。
自宅に招待されるのは今回が初めて。ふたりきりでゆっくり過ごす時間に期待が膨らむ。
「そうだ。明日、キッチンを借りてもいいですか?」
「もちろん。なにか作ってくれるのか?」
「はい。凝ったものは作れないですけど」
普段から家事はほとんど母親任せ。料理のレパートリーはさほど多くないのにもかかわらず、なにか作ろうと思いついたのは、私の手料理を「おいしい」と言って食べる龍臣さんの笑顔が見たいから。
「楽しみにしている」
「はい。私も楽しみです」
初めてのおうちデートに心を弾ませて、ふたりで微笑み合った。