クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
少し下がり気味の目尻が柔らかい印象で、警視庁捜査一課の敏腕警視とは思えないほど、気さくで人当たりがいい。
「お前、こんなところで、なにを油売っておる。ミッドナイトの捜査はどうなってるんだ?」
「たった今、純平さんは仕事かって、凛花ちゃんに不満たらたらだったでしょうが。せっかくのお祝いの日に、どうして俺には仕事させるの。そんな邪険にしなくていいでしょ」
困ったようにヘラッと笑って返してから、私に目を動かす。
「久しぶりだね、凛花ちゃん。奎吾さんと結婚してから、急に大人っぽい美人さんになっちゃって」
「こ、こんにちは、拓哉さん。過分なお言葉、恐縮です……」
私は額に変な汗を掻いて身を縮めた。
大人っぽいも美人さんも、二十四歳で童顔の私には、あまりにそぐわない褒め言葉。
もちろん、ただのリップサービスとわかっているけど、普段から気にしていることだから、お世辞でも嬉しい。
頬をほんのり染めながら、私は自分の身体を見下ろした。
奎吾さんは拓哉さんとは従兄弟同士で、同じく瀬名一族の分家筋だから、私は一応親族だけど、このお祝い会ではゲストという立ち位置。
今日は準礼装の色留袖を着ている。
地色が薄い橙色で、裾が御所車の着物にしたけど、ただでさえ華やかではない顔立ちだし、子供っぽくなった感が否めない。
「お前、こんなところで、なにを油売っておる。ミッドナイトの捜査はどうなってるんだ?」
「たった今、純平さんは仕事かって、凛花ちゃんに不満たらたらだったでしょうが。せっかくのお祝いの日に、どうして俺には仕事させるの。そんな邪険にしなくていいでしょ」
困ったようにヘラッと笑って返してから、私に目を動かす。
「久しぶりだね、凛花ちゃん。奎吾さんと結婚してから、急に大人っぽい美人さんになっちゃって」
「こ、こんにちは、拓哉さん。過分なお言葉、恐縮です……」
私は額に変な汗を掻いて身を縮めた。
大人っぽいも美人さんも、二十四歳で童顔の私には、あまりにそぐわない褒め言葉。
もちろん、ただのリップサービスとわかっているけど、普段から気にしていることだから、お世辞でも嬉しい。
頬をほんのり染めながら、私は自分の身体を見下ろした。
奎吾さんは拓哉さんとは従兄弟同士で、同じく瀬名一族の分家筋だから、私は一応親族だけど、このお祝い会ではゲストという立ち位置。
今日は準礼装の色留袖を着ている。
地色が薄い橙色で、裾が御所車の着物にしたけど、ただでさえ華やかではない顔立ちだし、子供っぽくなった感が否めない。