クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
だけど、なんの制止にもならず。
「しかも、中西先生!」
彼女は、中西先生の方に一歩踏み出した。
「先生がつい昨日、泥沼離婚調停で攻めの方向性確定できたのは、凛花ちゃんのおかげじゃ……」
「ご迷惑おかけします、じゃなくて。相談してもらえれば、僕たちは惜しみなく協力するよ」
菜々子さんに食ってかかられ、タジタジする中西先生に代わって、東雲先生が言葉を挟んだ。
「え?」
戸惑う私に、目尻を下げて微笑む。
「僕たちは法律の専門家。警察から無実の参考人を守るのも、弁護士の職務だ。でも、相談してもらえなければ状況がわからないし、首を突っ込むこともできない」
「そうそう」
中西先生も気を取り直し、ネクタイを直しながら背筋を伸ばした。
「弁護士には守秘義務がある。だから、警視庁が内密に捜査している事件だとしても、瀬名さんが無実を主張するためなら、俺たちに話す権利がある」
「権利……」
「我々が、瀬名さんの無実を晴らす力になりましょう、ということですよ」
当惑して反芻する私に、二人の先生の意見をまとめてくれたのは、所長だった。
「しかも、中西先生!」
彼女は、中西先生の方に一歩踏み出した。
「先生がつい昨日、泥沼離婚調停で攻めの方向性確定できたのは、凛花ちゃんのおかげじゃ……」
「ご迷惑おかけします、じゃなくて。相談してもらえれば、僕たちは惜しみなく協力するよ」
菜々子さんに食ってかかられ、タジタジする中西先生に代わって、東雲先生が言葉を挟んだ。
「え?」
戸惑う私に、目尻を下げて微笑む。
「僕たちは法律の専門家。警察から無実の参考人を守るのも、弁護士の職務だ。でも、相談してもらえなければ状況がわからないし、首を突っ込むこともできない」
「そうそう」
中西先生も気を取り直し、ネクタイを直しながら背筋を伸ばした。
「弁護士には守秘義務がある。だから、警視庁が内密に捜査している事件だとしても、瀬名さんが無実を主張するためなら、俺たちに話す権利がある」
「権利……」
「我々が、瀬名さんの無実を晴らす力になりましょう、ということですよ」
当惑して反芻する私に、二人の先生の意見をまとめてくれたのは、所長だった。