クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
私がお風呂を終えてリビングに戻ると、奎吾さんはソファに座っていた。
スマホを持った手をだらんと投げ出し、目を閉じている。
力を失った様子に、一瞬ギクッとした。
もしかして、傷の具合が悪いんじゃ――。
「奎吾さ……!」
私は弾かれたように、ソファに駆け寄った。
だけど、奎吾さんはしっかりと目を開け、私を見上げてくれた。
「大丈夫。心配しすぎだ」
ちょっと苦笑気味に宥められ、私はホッと胸を撫で下ろした。
「よかった……」
脱力して隣に腰を下ろすと、彼もわずかに背を起こし、ローテーブルにスマホを置いた。
私は彼のスマホを気にして、
「あの……電話は……」
遠慮がちに訊ねた。
私と奎吾さんが家に帰ってきたのは、今から一時間ほど前。
すでに夕食時に差しかかっていた。
食事の支度に時間はかけられないけど、美味しくて栄養のあるものを作ろうと、私は意気込んでいた。
ところが、私たちの帰宅を待っていたかのようなタイミングで、彼のスマホに電話がかかってきた。
相手は彼の部下で、捜査報告のようだった。
奎吾さんは私に、「夕食は後でいいから、先に風呂に入ってこい」と勧めた。
私が居ては仕事の邪魔になると思い、言われた通り少しゆっくりお風呂に入ったけど、あの後和人君がどうなったのか気になる。
奎吾さんが、「ああ」と相槌を打った。
スマホを持った手をだらんと投げ出し、目を閉じている。
力を失った様子に、一瞬ギクッとした。
もしかして、傷の具合が悪いんじゃ――。
「奎吾さ……!」
私は弾かれたように、ソファに駆け寄った。
だけど、奎吾さんはしっかりと目を開け、私を見上げてくれた。
「大丈夫。心配しすぎだ」
ちょっと苦笑気味に宥められ、私はホッと胸を撫で下ろした。
「よかった……」
脱力して隣に腰を下ろすと、彼もわずかに背を起こし、ローテーブルにスマホを置いた。
私は彼のスマホを気にして、
「あの……電話は……」
遠慮がちに訊ねた。
私と奎吾さんが家に帰ってきたのは、今から一時間ほど前。
すでに夕食時に差しかかっていた。
食事の支度に時間はかけられないけど、美味しくて栄養のあるものを作ろうと、私は意気込んでいた。
ところが、私たちの帰宅を待っていたかのようなタイミングで、彼のスマホに電話がかかってきた。
相手は彼の部下で、捜査報告のようだった。
奎吾さんは私に、「夕食は後でいいから、先に風呂に入ってこい」と勧めた。
私が居ては仕事の邪魔になると思い、言われた通り少しゆっくりお風呂に入ったけど、あの後和人君がどうなったのか気になる。
奎吾さんが、「ああ」と相槌を打った。