クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
「っ!」


服の裾から手を挿し込むと、一切の躊躇なくブラジャーのカップをずらした。


「あ、あんっ……!」


いきなり胸の先を摘まれ、腰が跳ねた。
私の肌を直接弄る手が、服の中で蠢く様を正視していられず、顔を背けてギュッと目を瞑る。


「凛花」


奎吾さんが、私の耳を唇で掠めた。
そんな微かな刺激にも、私の身体に閃光のような快感が駆け抜ける。
ビクッと震える私を、奎吾さんが「ふふ」と吐息混じりに笑った。


「感じてるのか、凛花。俺の可愛い妻は、意外と淫らでいやらしいようだな。……最高だ」


いつもの彼からは到底信じられない、意地悪な言葉。
どこか嗜虐的な彼にも、ゾクゾクが止まらない。


「っ、奎吾さんっ」


私は無意識に彼の背中に両腕を回してしまい、


「っ、つ……」

「! ご、ごめんなさ……」


小さく呻く声で我に返り、慌てて手を引っ込めた。
奎吾さんは、「いや」と顔をしかめる。


「こちらこそ、すまない。遠慮なく抱きついてくれて構わない」


そう言われても、私は条件反射で何度も首を横に振った。
奎吾さんはベッドに手を突き、ギシッと軋ませて上体を起こすと。


「じゃあ、俺の全身から痛覚が失われるほど、快感で支配してもらおう。凛花」


ペロリと自分の唇を舐める、らしくないやんちゃな仕草に破壊的な男の色気を漂わせて、私のハートを鷲掴みにする。
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