クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
メッセージを交換し始めてしばらくして、相手の方から、香港の貿易会社のサーバーハッキングが成功したと、今回の国際詐欺事件を持ちかけられた。
マフィアグループに言われるがまま、叔父様の電子サインを使ってケイマン諸島にペーパーカンパニーを設立、銀行口座を用意したそうだ。
そうして、スマホやメールを操っていただけで、送金詐欺なんて大罪に手を染めてしまった――。
私が膝に両手を置き、無意識に肩に力を込めた時。
「しかし、成功報酬の受け取りで、これだけ頻回に多額の海外送金を受けていたら、銀行の方でも警戒していただろうに。なあ?」
東雲先生が質問を投げかけてきて、私はハッと我に返る。
「あ……はい。マネーロンダリング疑惑対象者として、すでにマークされてたらしいです。けい……主人の指示で銀行の捜査に入った部下の刑事さんも、資金移動についてはすぐに情報を得ることができたそうで……」
「もーっ! 先生。凛花ちゃんの旦那さん、超絶カッコいいんですよ!!」
意味もなくギクシャクして答える途中で、菜々子さんが絶叫気味に声を挟んだ。
バシバシと背中を叩かれ、私は「う」と呻いて前のめりになる。
「ああ……警察庁所属の警視正殿だって?」
「ご身分も立派ですけど、うちの事務所で時任が逮捕された時!! 『凛花っ!』って、こう、こう!!」
マフィアグループに言われるがまま、叔父様の電子サインを使ってケイマン諸島にペーパーカンパニーを設立、銀行口座を用意したそうだ。
そうして、スマホやメールを操っていただけで、送金詐欺なんて大罪に手を染めてしまった――。
私が膝に両手を置き、無意識に肩に力を込めた時。
「しかし、成功報酬の受け取りで、これだけ頻回に多額の海外送金を受けていたら、銀行の方でも警戒していただろうに。なあ?」
東雲先生が質問を投げかけてきて、私はハッと我に返る。
「あ……はい。マネーロンダリング疑惑対象者として、すでにマークされてたらしいです。けい……主人の指示で銀行の捜査に入った部下の刑事さんも、資金移動についてはすぐに情報を得ることができたそうで……」
「もーっ! 先生。凛花ちゃんの旦那さん、超絶カッコいいんですよ!!」
意味もなくギクシャクして答える途中で、菜々子さんが絶叫気味に声を挟んだ。
バシバシと背中を叩かれ、私は「う」と呻いて前のめりになる。
「ああ……警察庁所属の警視正殿だって?」
「ご身分も立派ですけど、うちの事務所で時任が逮捕された時!! 『凛花っ!』って、こう、こう!!」