クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
私は一人自室に下がり、クローゼットからフォトブックを取り出した。
フォトブックの表紙は白い布打ちで、『Love, Forever』と金色のカリグラフィーが刻まれている。
私の友人が、去年の結婚式とお披露目会の写真を製本して、プレゼントしてくれたものだ。
私はベッドに浅く腰かけ、膝の上でゆっくりページを捲った。
こうして見ると、奎吾さんの隣に映る私の表情はわかりやすい。
結婚式、純白のウェディングドレスを纏った私は、緊張で硬い。
それから一ヵ月後のお披露目会、華やかな着物に身を包む私は、やや憂いを帯びている。
今日の私は、写真に収めたらどんな顔をしていただろう……。
私は溜め息をついて、傍らにフォトブックを置いた。
左手を目の高さに掲げ、薬指の指輪を天井の明かりに翳して、脱力気味に手を落とす。
今日はお祝い会の手伝いで、朝から本家に行っていたから、ちょっぴり疲れた。
この時間になると、頭がボーッとする。
ぼんやりと靄のかかる脳裏に、昼間長老に問われた言葉がよぎる。
『凛花、お前は幸せか?』――?
一年半前、お見合いの席で奎吾さんと向き合ったその瞬間まで、私は幼い頃本家の道場で出会った彼を、梗平さんと思い込んでいた。
彼をよく知る両親は『瀬名奎吾』さんからの求婚を、『願ってもいない良縁』と断る気はなく、結婚はほぼ決定事項という状況だった。
フォトブックの表紙は白い布打ちで、『Love, Forever』と金色のカリグラフィーが刻まれている。
私の友人が、去年の結婚式とお披露目会の写真を製本して、プレゼントしてくれたものだ。
私はベッドに浅く腰かけ、膝の上でゆっくりページを捲った。
こうして見ると、奎吾さんの隣に映る私の表情はわかりやすい。
結婚式、純白のウェディングドレスを纏った私は、緊張で硬い。
それから一ヵ月後のお披露目会、華やかな着物に身を包む私は、やや憂いを帯びている。
今日の私は、写真に収めたらどんな顔をしていただろう……。
私は溜め息をついて、傍らにフォトブックを置いた。
左手を目の高さに掲げ、薬指の指輪を天井の明かりに翳して、脱力気味に手を落とす。
今日はお祝い会の手伝いで、朝から本家に行っていたから、ちょっぴり疲れた。
この時間になると、頭がボーッとする。
ぼんやりと靄のかかる脳裏に、昼間長老に問われた言葉がよぎる。
『凛花、お前は幸せか?』――?
一年半前、お見合いの席で奎吾さんと向き合ったその瞬間まで、私は幼い頃本家の道場で出会った彼を、梗平さんと思い込んでいた。
彼をよく知る両親は『瀬名奎吾』さんからの求婚を、『願ってもいない良縁』と断る気はなく、結婚はほぼ決定事項という状況だった。