クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
かなり際どいデザイン……オープンクロッチと言うんだったか。
辛うじて下着と呼べる代物で、大事な部分を保護しきれていない。


俺は彼女の滑らかな白い柔肌に釘付けになった。
あまりの衝撃に呆然として手から力が抜け、引っ剥がした布団が床にドサッと落ちる。


「嫌っ! 見ないで。見ないでっ!!」


涙混じりの声が耳に届き、ハッと我に返った。
布団を失い、それでも身体を隠そうとするのか、ボックスシーツを引っこ抜こうと必死の様に、


「っ……す、すまん」


俺は条件反射でくるっと背を向けた。
しかし、目にしたものが網膜に焼きついている。
俺は額に手を当て、この状況を把握しようと、目まぐるしく思考を働かせた。


「と、とにかく、服を着てくれ。目の遣り場が」


とっさに、そう声をかけたが。


「いや、違う。俺が出ていけばいいのか」


自分で思う以上に混乱していて、あたふたとドアに向かおうとして――。


「!」

「ご、ごめんなさい、行かないで……」


背後で、か細い声がした。
声に負けないくらい細く、力瘤も浮かばない華奢な腕が、俺の腹に回っている。


背中に感じる、俺のものではない仄かな体温。
凛花のものだと認識して、俺の心臓がドクッと沸き返った。
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