クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
今まで、女を抱くのに、これほど興奮したことはなかった。
獰猛に脈打つ股間が痛苦しい。


切羽詰まって気が逸り、彼女の胸から脇腹に伝わせた指を、小さく頼りないショーツに引っかけた。
躊躇いなく、指を忍ばせ……。


「っ、痛っ……!!」

「……え?」


もう片方の手をベルトのバックルにかけていた俺は、引き攣れた悲鳴にギクッと指を止めた。


「う、ううっ、う……」


押し殺した呻き声に困惑して、次の瞬間、冷や水を浴びせられた気分で息をのむ。


「凛花?」


ガチガチに身体を固まらせて痙攣する彼女を見下ろした。


「お前……処女なのか?」


信じ難い気持ちで訊ねると、凛花はきつく目を瞑り、コクコクと頷いた。
その途端、俺の全身からサーッと血の気が引いた。


「何故……拓哉とは?」


それでも足掻く俺を、彼女が肩越しに見上げてくる。


「たく……?」


涙に濡れた睫毛を震わせ、質問の意味がわからないといった表情を浮かべるのを見て、俺の心臓がドクッと沸き立った。
限界を突き抜けるほどの恍惚とした高揚感が、一瞬にして醒めていく。


「まさか……俺の誤解なのか……?」
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