天然仔猫は無気力仔犬に甘く迫られて
「口にするわけないでしょ」
そんな、当たり前、みたいな……!
「依奴くんのばか! 紛らわしいの! ていうか、ほっぺでもしちゃだめ!」
「仕方ないじゃん。可愛かったし」
「……誰が?」
主語がないんだよ、依奴くん。
ちゃんと誰が可愛いのか言わないとわかんないよ。
こてんと首を傾げると、依奴くんは、はあ……と大きなため息をついた。
な、なんのため息……!?
「もーいい。飯行く」
「誤魔化しちゃだめー!」
なんでなかったことにするのっ。