塩で砂糖な君だから

私➡︎吏津花(りつか)あだ名はりっか大学生
彼氏➡︎蓮たまに蓮ちゃんって呼ばれる大学生「おい起きろよ」
私の一日はこの言葉を聞いてはじまる。
「わー💦なんでもっと早く起こしてくれなかったの😭」
「何回も起こしたし、布団とっても起きないのどこのどいつだよ」
いつものように言い合いながら準備をして学校に行く。

「蓮〜」
あっ…まただ…蓮はモテるから私といる時も女の子から声かけられまくりで私は居場所がなくなる。またねって言ってその場を離れる

「ね〜きいてよぉぉ！」
私は友達にいつものように朝の愚痴を言う。
多分もうそろそろ聞き飽きてると思うけど(笑)
それでも親身になって聞いてくれてる友達に感謝感謝と思いながら話してると友達がありえない事を口に出す。
「今度の土曜、合コン行く？」
「は？いやいや合コンってあれか？あの男女が集まって1人の可愛い子とかイケメンを奪い合u」
「はい！そこまで〜！心の声だだ漏れすぎw
それに､そんな戦みたいなことしないし！ただの飲み会みたいなもんだよ」
そんな事言われたから飲み会なら良いかと承諾してしまった。

蓮には、ちょっと今度の土曜、飲み会行ってくるねって言った。罪悪感と妬かせてやるって気持ちがごちゃ混ぜになってるのを感じた。そしたら蓮が
「それ､男もいるやつ？」
って聞いてきた。珍しく妬いてるのかな？とか思いながら､いつも妬かされてた私は
「ちょっと分かんないや」
と嘘をついてしまった。合コン当日､蓮の機嫌がすこぶる悪い。背筋が凍るほど怖い。でもいつも塩対応で私に好きとも可愛いとも言ってくれない蓮が悪いんだから‼︎って思いながら合コンの会場に向かった。思いの外楽しかった私は､飲み過ぎてしまって友達が私のスマホで蓮を呼んでくれた。蓮が来るまでの間に2人ぐらいになんか口説かれた気がするんだけど…そんなわけないか。

蓮が車で迎えに来てくれて､家に帰ってる時車の中でなんかボソボソ言ってた。帰った後に気になってさっき車の中でなんて言ってたの？って聞いたら急に部屋の端に追い込まれた。
「男いたじゃん…知ってたんでしょ。なんで言ってくれなかったの？男いるのは、大体誤魔化し方で分かってたけど、飲み過ぎ‼︎りっかちゃんは可愛いんだからあまり男の前で飲んじゃダメ！今日だって口説かれてたし…」
これは…もしかして…蓮のお砂糖モード通称蓮ちゃんモードに入ったか⁉︎⁉︎
「蓮ちゃん？ごめんね？でも私も好きって蓮ちゃんに言われないし､蓮ちゃん他の女の子と話す時ニコニコしてるのに私と話す時真顔だから…その…ほんとに好きなのか不安になって」
そう言って蓮ちゃんの方を向いた。蓮ちゃんは顔を赤らめてた。
「…き」
えっ？やばい聞こえなかったけど絶対好きって言ったよね⁉︎今だったらもう一回聞ける気がする。
「蓮ちゃんちょっと聞こえなかったからもう一回お願い🥺」
蓮ちゃんはほんとに爆発しそうなぐらい顔が真っ赤になりながらもう一回ちゃんと
「好き､大好き」
って言ってくれた。
それからと言うもの蓮は私と目が合うたび
顔を真っ赤にしてて可愛かったwけど対応はいつもの塩対応に戻ってしまった。
蓮は相変わらず女の子と普通に話す。私がちゃんとあんな事言ったんだから控えてくれたって良いのに。って思うたびに私って独占欲やばいのかなって思う。

春が過ぎて夏に入る前､私が1番嫌いな季節梅雨がやってきた。
私は､癖毛なので雨が降るとすぐぼわってなってしまう。いくら結んでてもアイロンをかけてもそうなんだからもう諦めるしかない。それ以外にも理由がある。頭は､痛くなるし。寝起きがさらに悪くなる。じめじめして気持ち悪いなどなど。でも蓮はこの季節が好きなようだ。前に一回理由を聞いた時は､『除湿かければ適温だし、りっかの癖毛見られるから』ってこれ聞いた時は､相変わらずだなって納得しちゃった。プルルルルル📱
部屋に鳴り響く電話の音で私は､目を覚ました。
こんな朝早くに誰だよって思ったけど､スマホを見て私は真っ青になった。
もう12時じゃん⁉︎えっ⁉︎無遅刻無欠席だったのに〜(泣)
「蓮！ほら学校行くよ！起きて〜」
そう言っても蓮はなかなか起きない。
いつもは、すぐ起きるのになんでこんな時に限って〜(泣)私は最終手段と思い布団をめくった。
蓮はだるそうに体を起こした。
「蓮？」
いつもの蓮だったら絶対すぐに時計見てやばいもうこんな時間じゃんって言うんだろうけど、今日はなんかおかしい。しかも除湿機をかけてたのに服が汗でびっしょりしてた。
もしかしてと思い。
「蓮ちょっとおでこかして」
と言っておでこに手を当てる。
「やっぱり…」
蓮のおでこが熱かった。

学校に私と蓮が休むと連絡してから､蓮の看病をしてた。
本当なら親を呼ぶところなのだろうけど蓮には親がいない。
幼い頃､親を事故で亡くしてからずっと養護施設で過ごしてきたと前に話してくれた。
「蓮何か食べたいものある？」
「りっかちゃんの作ったもの〜」
そう､可愛く言う蓮を見て悶えながら
「了解」
と返事を返す。
蓮ちゃんモードが見れるなら梅雨も悪くないなとか思いながら、私は卵粥を作った。
冷蔵庫にあった柔らかめのゼリーと薬も忘れずに持って部屋に行く。

「うぅ…おかぁさん…おとぉさん」
部屋に入ると蓮がうなされてて、見てて苦しくなった。
「大丈夫私がいるよ。ここにいるよ」
そう言って蓮の手を優しく包み込んだ。
蓮は､安心したのかスヤスヤと眠った。
起こすのも悪いので、30分だけと思い一緒に寝た。
起きた頃には、もうお粥は食べ終わってて薬も飲んだのか気持ちよさそうに寝てた。
いや､イケメンの寝顔は強い。いつ見てもキュン通り越してギュンってなる。
そんな寝顔を見ながら食器も洗わないとだし熱もはからないと、寝てるうちに熱さまシートも貼っといた方がいいよね。
とか思い名残惜しさを胸に、ベッドから起きあがろうとした。
でも起きれなかった。だって
「りっかちゃん、行っちゃダメ､どこにも行かないで」
って腕を掴んで言われたから。
しかも上目遣いまでしてきた。
でも流石に食器だけでも洗いたかったので､「少しだけ待ってて。大丈夫､私はずっと蓮ちゃんのそばにいるから」
って言って離してもらった。

食器を洗い終わって､ちゃっかり熱さまシートと体温計を持って部屋に行く。
「蓮ちゃん？」
蓮は､私に背を向けて
「なに」
と聞く。やばい拗ねた。
(だってしょうがないじゃん！食器そのままにしてたら汚いし。熱さまシート貼んなきゃ熱下がんないし。そもそも熱あるのになんで熱はからないん？)とか思ったけどこんな事言ったら絶対もっと拗ねる。最悪の場合泣きじゃくるなと思い私は､自分の気持ちを押し殺して
「蓮ちゃんごめんね？熱はかろっか」
って言った。
「やだ」
「っえ？熱はからんと…」
「違う」
「？？？何が？」
「自分ではかるのやだ…りっかちゃんがはかって」
💘この子は、本当に私の気持ちも知らないでどんだけ可愛いんだよ。とか悶えながら
「しょうがないな」
とか言いながらバックハグをしてねつをはかる。
蓮の全身の体温が伝わってくる。
「38.7」
めちゃくちゃ高熱だったので私は
「熱さまシート貼ろっか！」
と言った。

そこからが長かった。
蓮は熱さまシートのあのベタベタ，フニュフニュの感じが嫌らしい。
それでもなんとか説得して説得時間も合わせて10分で貼り終えた。
蓮は今スヤスヤ寝てる。
私も疲れて寝てしまっていた。
朝起きると蓮はすっかり元気になっていた。
昨日のことは、熱でやられていて覚えてないらしい。
ただ､
「ありがとう」
って蓮に言われた。ずっと心がふわふわした。
それからと言うものずっと蓮は塩対応で、なんかちょっと寂しい。
でも寂しくなるたびに蓮ちゃんモードを思い出してなんとか頑張った。
でもやっぱり寂しいので、何人か(男友達も含め)相談した。
そしたら､嫉妬大作戦をやろうってなった。
大学生にして馬鹿げたことやるなとか思いながらも､面白そうなのでその案に乗っかった。

作戦1。
男子が私に話しかける事から始まった。
「りつかそれ重そうだね。持とうか？」
とか
「りつか今日の服似合ってるね、可愛い」
「今日一緒に遊ぼ」
などなど
そんな事してたら蓮の機嫌がだんだん悪くなっていくのを感じた。
でも言葉で言ってくれるまで辞めないんだから！と少し意地悪をしてみた。
作戦2
友達が私に
「あいつ、りつかの事好きらしいよ！りつかはどうなの？」
と聞く。
流石に蓮も我慢の限界が来たのか、放課後屋上に呼び出された。

「りつかは､誰の彼女？」
蓮が嫉妬を通り越して怒ってる。怖い。
「そ…れは蓮n」
「だよね？」
言い終わる前に蓮が言葉を被せてきた。
「あいつらに揺れた？あいつらみたいな優しくて、服とかアクセとか褒めるのできるやつの方がいい？…ごめん…俺意外と独占欲強いみたい」
そう言って笑う蓮を見て私は、怒りでも嫉妬でもなくて不安にさせちゃったんだって思った。
「ごめん…」
それしか出なかった。
「今回は､俺も少し悪かったと思ってる。だから許す。もう少しりっかに構うようにする。女の子とも話すの控える。正直言うと妬いた。名前呼びできる男は､俺だけが良いって思った。」それからと言うもの蓮ちゃんモードが増えてますます仲良くなった。
今は､塩：砂糖が5：5ぐらいの状態だ。
砂糖は､主に体調が悪い時，妬いてる時になるらしい。
あと､あんな真っ直ぐ名前呼びできる男は…なんて言われたから断れなくなって男友達には苗字で呼んでもらってる(笑)
今日だって慣れないなとか言いながら苗字呼びで普通に話してる。
「りっか」
そう呼ばれたので蓮の方に行くと急に膝の上に座らせられた。
私の男友達にガンを飛ばしながら耳元で
「りっかちゃんはやっぱ、ああいう優しい子が好き？」
「馬鹿だなぁ、塩で砂糖な蓮ちゃんだから好きなんだよ」