【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜


「でも明後日なら会えるけど」

「明後日……」
 
 明後日になったら、旦那は帰ってきてしまう。 でも……。

「でも明後日には旦那帰ってくるんだろ?」

「……うん。でも会いたい」

「いいのか?」

 いい訳ない。……でも私は満たされないの。
 満たされたいから、隼斗に抱かれたい。

「大丈夫。帰ってくるの遅くなるみたいだから」

「そっか。じゃあ明後日、また会おう」

「……うん」

 隼斗が帰っていくと、とても寂しい気持ちになる。
 それは私が、強く彼を求めてしまっていたからかもしれない。

 私は満たされたいんだ。旦那との日々も、隼斗とのセックスも、何もかもが満たされたいんだ。
 満たされないと私は満足出来ないんだなと思う。 大輝、お願いだからもっと私を求めてよ……。

 大輝が私にたくさんの愛をくれるのはとても嬉しいし、それは伝わっている。

「大輝……」

 大輝との結婚式の写真を眺めながら、私は泣きそうになった。
 大輝を裏切るようなことをしていることは分かっていて、それでも辞められない。
 
 こんな自分が時々イヤになる。

「私は……幸せだと思ってる」

 大輝だって、幸せなはずだ。
< 11 / 44 >

この作品をシェア

pagetop