【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜
「そうなんですね。 まあ奥さん、大変そうですもんね」
「まあ……忙しい人なんで、妻は」
何店舗の経営しているカフェは軌道に乗っていて、今まさに忙しい日々が続いている。
「でも奥さんキレイな人ですよね?一回見たことあるけど、めちゃくちゃキレイなんですよ」
そこへ入ってくるのは、社会科の先生の湊(みなと)先生だ。
「そうなんですか?見てみたいなあ」
「榎本先生の奥さん、年上ですよね?」
「はい。五歳年上です」
姉さん女房ということもあり、年上の妻だと言うとみんな羨ましがるような気はする。
「え、年上の奥さんなんですか?榎本先生」
「はい。 言ってませんでしたっけ?」
「聞いてないですよ!」
青井先生は僕の妻のことについて、興味津々のようだ。
「年上の奥さんか……。いいなあ」
「普通の夫婦ですよ、僕たちは」
そんな羨ましがられること、ないけどね。
「榎本先生、幸せですね」
「はい。幸せです」
「いいなあ。俺も結婚したくなってきた」
青井先生は僕を羨ましそうに見ている。
「いいですよ、結婚は」
僕は里織と結婚して、本当に良かったと思った。こんなに大切な人、他にいない。