【完結】結婚二年目の憂鬱。〜僕は妻に裏切られていた〜



「里織、もう仕事に行くのか?」

 僕は妻の背中にそう話しかける。

「ええ、急に上司に呼び出されちゃって」

 と、妻はパンプスを履きながら慌ただしく答える。

「そうか。気を付けてな」

「ありがとう。 行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 慌ただしく仕事に出かける妻の背中を見送った僕は、朝食の後片付けを進めていく。

 僕、榎本大輝【えのものだいき】は、妻の里織【りお】と結婚して二年目になる。
 里織は僕より五つ年上の三十二歳。僕は二十七歳の、姉さん女房だ。

 僕が里織と結婚したのは、二年前の七月七日の七夕の日だ。
 その日は僕と里織が付き合って、三年になる日だった。 僕は思い切って、里織にプロポーズをした。

 それから二年、僕たちは夫婦としての道を歩み続けていた。
 でも僕たちの夫婦生活は、そう長くは続かなかったーーー。
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